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僕の名はパリエルム・ペルマール「Pariyerum Perumal」

出典:IMDb
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「Pariyerum Perumal」2018年 タミル

監督:マリ・セルヴァラージ
出演:カディル/アーナンディ/ヨギバブ
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt8176054/
Wiki:https://en.wikipedia.org/wiki/Pariyerum_Perumal

あらすじ

 パリヤンはプリヤンクラム村の少年。愛犬カルッピと共に狩りに出かけるが、ダリットを嫌う若者たちによって線路に繋がれたカルッピは、パリヤンの目の前で轢死してしまうのだった。その後パリヤンは弁護士を目指しロースクールに入学する。彼は勉強はできるが英語ができないため授業についていけない。しかし同じクラスの女の子ジョーはパリヤンに協力することを約束してくれ、彼女から英語を教わるうちに2人はどんどん仲良くなっていく。
 ある日、ジョーから姉の結婚式に招待されたパリヤンは、おしゃれをして贈り物を持って訪ねるが、ジョーの父にカーストを理由に付き合いを反対されてしまう。それのみならず彼女の従兄弟たちによってパリヤンは酷い辱めを受けるのだった。
 ジョーはパリヤンが来てくれなかったと誤解してしまい、彼女に会わずに立ち去った理由を言えないパリヤンは絶望して妬け酒を飲んでしまう。そのまま授業に出たために校長に呼び出されたパリヤンは、父親を連れてくるようにと言われるのだった。
 パリヤンは身代わりの父親を用意し校長に合わせ許しをもらうが、校長に厳しく諭される。校長は貧しい家庭の出身であり自分が今の立場になれたのは、ひたすら耐えて勉強したからだと語る。
 しかしジョーの従兄弟たちの嫌がらせはエスカレートしていくのだった…。

感 想

「カルングラムの近くの美しいプリヤンクラム。私たちの夢が生きる私たちが生まれた村」
 そんな美しい歌で始まる物語は早々に衝撃的な展開に。パリヤンにとってカルッピはただの犬ではなく、共に生きてきた大切な存在で…あまりに残酷な展開にその時点で号泣してしまった…。流れる「カルッピ」っていう曲がまた泣かせる。


 大学に入って友達もできて、英語を教えてくれる天使もあらわれて、とっても幸せそうなパリヤンをみても、なにせ冒頭のカルッピの姿が頭にあって。この先パリヤンはカルッピのような運命を辿るのかと、心臓がきゅうきゅうしながら見守ってしまう感じ。
 ジョーはとっても良い子なんだよね。本当に無垢で、優しい。でもその無垢さは「迫害されたことがない」から持ち得るもので…。同じように無邪気に過ごしていても、パリヤンは「全てを受け止めた」状態でそうあるわけです。この対比がね、とても辛い。パリヤンが偽者のお父さんを連れていった理由なども後半に明かされます。それもまたつらく悲しい。


 そして差し挟まれるように登場する怪しい爺さん!こいつがね……もう…まるで象徴のようなんだよね。他者の「生き死になんてどうでもいい」という思考を持つ人間の。
 終盤のパリヤンは「こういう思いをしてきた」という人間しか持ち得ないような諦観みたいなものがあって…。「ジョーは思ったことを自由に言える、でも僕は自分が感じたことを言う前に何度も死ななきゃならないんです」っていう言葉に、打ちのめされました。
 観ている最中よりも、後からじわじわと悲しみが押し寄せて、胃がズーンと重くなるような映画でした。あの鮮烈な「青」。パリヤンの怒りと反骨をあらわすような鮮烈な「青」が忘れられないです。そしてカディルさんの演技とても素晴らしかった。
 ヨギバブさんは今回はめちゃくちゃいい奴でしたよ!w

トレーラー

視聴場所

■YoutubeMovie:タミル版(英語字幕)
アメリカ=$3.26SD(24時間レンタル)

2020年IMW(インディアンムービーウィーク)にて、日本語字幕つきで上映されました。

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